昨今、「スポットコンサル」という働き方が普及してきています。企業にとっては、ピンポイントで気軽に利用できるコンサルティングサービスであり、需要も高まりつつあります。また、働き手としては副業でスポットコンサルをする人も増えています。ここでは、副業でのスポットコンサルについて、説明していきます。
スポットコンサルとは?
「スポットコンサル」とは、特定の期間に限って、一回単位のスポット型で、コンサルティングを行うことを言います。
一般的にコンサルティングサービスと言えば、ある程度の長期間を費やして、コンサルタントとクライアント企業がお互いに信頼関係を築き、クライアントがコンサルタントの助言を受けるのが通例でした。しかし、長期間の契約だと、コンサルフィーが高額になり企業の負担も大きくなります。そこで、費用を抑えて、必要なときだけ気軽に利用できる「スポットコンサル」が注目を浴びるようになりました。
スポットコンサルにはどんな仕事がある?
スポットコンサルの仕事には、主に以下のような仕事があります。
- 経営戦略コンサル(DX推進、新規事業立上げ・M&Aなど)
- IT系システムコンサル(SAPなどのERPパッケージ導入及び運用、セキュリティシステム構築など)
- Web系コンサル(SEOマーケティング、LP作成、オウンドメディア構築など)
- キャリアコンサル(新規採用や中途採用、人事制度の設計、人材開発など)
上記は、ごく一部の事例ですが、企業のコンサルタントへのニーズは、商品やサービス、マーケット、IT、人材等幅広く、スポットコンサルの仕事にも多種多様な仕事があります。
企業がスポットコンサルを依頼する理由
スポットコンサルは、大手コンサルティングファームが提供するような規模の大きなプロジェクト型の高価なサービスと違い、単価が安いだけでなく、一回単位の単発で専門のコンサルタントから助言を受けることができます。また、単発とはいえ、必要に応じて週1回、月1回といったペースで、継続的にコンサル依頼をすることもできるため、企業にとってはスポットコンサルは利便性が高く、需要が拡大しています。
副業ビジネスとしてスポットコンサルをおすすめする理由
副業でのスポットコンサルは、需要が高まり、案件も増える傾向にあります。ここでは、副業でのスポットコンサルをおすすめする理由を説明していきます。
空いた時間を有効に活用できる
サラリーマンは長時間拘束される副業はできません。一方、スポットコンサルは、単発でクライアントの相談に乗ることのできるサービスで、一時間単位から稼働時間を調整できます。また、自宅からオンラインでもコンサルティングサービスを提供することができるため、サラリーマンとしての本業の時間に影響のない範囲で、隙間時間を利用して、スポットコンサルを行えることが一番のメリットです。
スキルアップにつながる
スポットコンサルの副業をすることで、単に対価を得るだけでなく、新たなインスピレーションを得たり、問題の把握能力や情報の整理能力を高めたりすることができます。また、本業とは違った環境で、自分のスキルがどこまで通用するかを客観的に見直し、スキルアップの糸口を見出すことができれば、副業でスポットコンサルを行うことで、スキルアップにつなげることができます。
本業のコンサルタントへのきっかけにできる
サラリーマンであれば、仕事の姿勢や成果に対して、社内評価は得られるものの、社外からの評価を得ることはまずありません。そこで、副業でスポットコンサルの経験を積むことにより、会社組織の力を借りることなく、自分の力をもって、クライアントの期待に応えることができ、社外の立場であるクライアントからの評価を受けることもできます。
こうした経験が、コンサルタントとしての独立の足がかりになるかもしれませんし、スポットコンサルを通して、クライアントからの信頼を得て、独立後も取引が継続できる可能性もあります。
スポットコンサルの始め方
次に、副業でスポットコンサルを始める方法について、説明をしていきます。
スポットコンサルのマッチングサイトへ登録
現在、スポットコンサルのマッチングサイトはいくつもあります。まずスポットコンサルのマッチングサイトへ登録して、スポットコンサル案件を獲得する第一歩を踏み出しましょう。マッチングサイトでは、職務経歴や仕事の実績や対応可能な業務などをマッチングサイトのフォーマットに則って登録します。
案件のマッチング
マッチングサイトに登録した後は、クライアントからの指名を待つスタイルが多いです。サイトによっては、公募案件があり、自ら案件に応募することができることもありますが、ほとんどの案件が非公開です。
クライアントから声がかかったら、課題に対して、自分のスキルや経験に照らし合わせて、案件対応ができるかどうかがスクリーニングされます。スクリーニングが通れば、コンサル対応の日時や報酬などの具体的な条件についてすり合わせをして、お互いが合意に至ることで、マッチングが成立します。
マッチングサイトもいろいろです。それぞれの特徴を把握し、利用するようにしてください。
スポットコンサル開始
マッチングが成立して、スポットコンサルが実際に開始されますが、事前にクライアントから、議題などが記されたアジェンダが提供されることもあります。その場合、アジェンダに対する回答や助言を事前に用意することになります。コンサルの進行方法については、オンラインミーティング形式が多いです。また、スポットコンサルは、単発で終了するケースがほとんどですが、クライアントの満足度によってはリピートもありえます。
コンサルタントがスポットコンサルで副業するメリットとデメリット
ここで改めて、スポットコンサルで副業をするメリットとデメリットについて、整理をしていきます。
スポットコンサルで副業するメリット
コンサルタントがスポットコンサルで副業するメリットの第一は、副収入を得ることができることでしょう。また、本業だけでなく、社外で自分の実力を試すこともできれば、本業とは違う社外環境での経験はスキルアップにもつながるのもメリットです。また、社外の客観的な視点を得ることで、自分のスキルや能力の市場ニーズや価値を棚卸をすることもできます。さらに、副業でのスポットコンサルの経験が、本業でコンサルを利用する機会があれば、役立つこともあります。
スポットコンサルで副業するデメリット
これまで副業でのスポットコンサルのメリットを中心に説明してきましたが、デメリットについても指摘しておく必要があります。
隙間時間を利用して、それなりの報酬が得られるスポットコンサルですが、実際にスポットコンサル案件のマッチングが成立するまでには、マッチングサイトへの登録や条件のすり合わせなど、それなりの時間が必要になります。また、単発の仕事になるため、まとまった金額の報酬を得ることは難しいので、本業同様の安定収入を期待することはできません。
副業でスポットコンサルをする際の注意点
本業を持つサラリーマンが、副業としてスポットコンサルを利用する際の注意点について説明します。
守秘義務を守る
スポットコンサルの契約においては、必ず秘密保持契約も交わします。また本業においても、正社員としての守秘義務がありますので、スポットコンサルの実行に際して、本業における社外秘をクライアントに教えたり、漏洩したりすることは許されません。また一方で、スポットコンサルにおいて、クライアントから知りえた情報についても守秘義務があります。第三者に知らせることも控えなければなりません。コンサルタントとして、守秘義務を守ることはとても重要なことです。
副業が禁止されていないかを確認する
現在サラリーマンとして働いている人は、自社で副業が禁止されていないかを確認しておく必要があります。もし副業禁止規定があるなら、単発のスポットコンサルだからといって、副業をしていいということにはなりません。副業については、会社の就業規則に記されているはずなので、スポットコンサルで副業を始める前に、就業規則を確認しておきましょう。また、副業が許可されていても、副業をすることについて、報告義務がある場合は、スポットコンサルを受けることを会社に報告をしましょう。
まとめ
サラリーマンにとって、スポットコンサルのニーズが高まっていることは興味深いことかもしれませんし、スポットコンサルを利用しての副業をすることで、コンサルタントとして本格的に独立することもできるかもしれません。ぜひこの記事も参考にして、スポットコンサルの経験を積極的に積んでみてください。