戦略コンサルティングについて詳細解説

コンサルティングの中でも、人気のある戦略コンサルティング

しかし、戦略コンサルティングではどのような仕事を行うのか、あやふやな方が多いのではないでしょうか。そこで、この記事では戦略コンサルティングの仕事内容必要スキルなどについて解説していきます。

また、戦略コンサルティングファームに転職するための知識についても、まとめましたので是非参考にしてみてください。

戦略コンサルティングファームで働くコンサルタントの概要

さまざまなコンサルティング業務がある中でも、戦略コンサルティングはどのような仕事を行い、どのようなキャリアを進んでいくのか説明していきます。

 

戦略コンサルタントの仕事・業務内容

戦略コンサルタントの仕事は、クライアントの抱える、
経営・事業戦略に隠れた問題解決をするための提案を検討することです。

問題解決を行うため、クライアントに聞き込みを重ね
「何が問題でどう解決していくべきなのか」を探し出していきます。

探し出せたら、その企業にあった案の仮説を立て検証し、
企業の問題にあったアクションプランを立案していきます。

 

戦略コンサルタントのキャリア・職位

コンサルタントには職位(役職名)が存在し、
経験年数や会社に応じて名称・条件は変わりますが、大きく分けると4つとなります。

⑴アナリスト:入社0~3年

主にマネージャーやコンサルタントの元で、分析・リサーチを行う担当者 

新卒や第2新卒は概ねこのポジションでスタートすることになります。

⑵コンサルタント:入社3〜5年

・ジュニアコンサルタントであればマネージャーのインストラクションの元で分析・リサーチを行ったり、スライド作成を担う 

・シニアコンサルタントであればマネージャーのサポート的立ち位置で、自分である程度のチャンクを持って回したり、アナリストのサポートをみることもあります

・中途採用組はコンサル未経験であれば概ねこのポジションでスタートすることになります。

⑶マネージャー:入社5~10年

・主に現場をコントロールする責任者で、プロジェクトの内容はマネージャーにかかっていると言っても過言ではありません

クライアントやパートナーとのディスカッションを踏まえて、どのようにPJを具体的に進めていくかをリードし、アナリストやコンサルタント等に指揮命令する責任者です。

中途採用でコンサル経験が長い場合はこのポジションからスタートするケースもあります。

⑷パートナー:入社10年~

・プロジェクトの責任者です。また、主にプロジェクトの営業責務がある為、具体的に内容まで関与するかどうかはプロジェクトの内容やパートナーの忙しさ、マネージャーの経験などによって変化します。

 

戦略コンサルタントの給与・年収

各役職での給与・年収はこちらとなります。

⑴アナリスト:500〜800万円

⑵コンサルタント:900〜1300万円

⑶マネージャー:1400〜2000万円

 (プリンシパル:1700〜2500万円)

⑷パートナー:2500万円〜

このように役職で大幅に変わってきます。

そして、20代前半の人ではアナリストの方が多いです。
しかし、20代後半からコンサルタントやマネージャーになれる可能性があり、
若い年齢から高年収を望める職業となっています。

 

戦略コンサルティングファームの種類

ここから戦略コンサルティングをしている

ファームの1部を紹介していきます。

◯マッキンゼー・アンド・カンパニー

マッキンゼー・アンド・カンパニーは
1926年にシカゴ大学 経営学教授ジェームズ・O・マッキンゼーとその仲間により設立。

日本オフィスを構えたのは1971年、

そして2018年に大阪オフィスを構えています。

グローバル化の過程において他ファームに数歩先行するファームと言え、
英語力に最も力を入れているファームです。

日本支社での活動は自動車、ハイテク、金融、医薬品といった産業を中心に
戦略立案、マネジメントを行なっています。

また、NPO法人スペシャルオリンピックス日本・国境なき医師団など、
過去10年間に30以上の公益事業や非営利機関へのサポートも行っています

◯ボストン コンサルティング グループ

ボストン コンサルティング グループは1963年ブルース・ヘンダーソンやジェイムズ・アベグレンらによって設立。

東京にオフィスを構えたのは1966年。

そして2003年に名古屋オフィス。

2020年に大阪、京都にオフィスを構えました。

進出した国や地域で強い絆を築いていくことに注力しており、
クライアントと共に戦略立案だけでなく実行支援を手掛けているケースも多いです。

産業財をはじめとする、消費財、金融、保険、テクノロジー・メディア・通信、
航空・宇宙防衛と多岐に渡り、サービスを提供しています。

◯ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン

ベイン・アンド・カンパニーは、1973年にビル・ベインにより設立、
日本オフィスを構えたのは1982年です。

ベインは「コンサルタントがクライアントにお届けするのは単なるレポートではなく、
『結果』である。」この原則を掲げ戦略立案・マネジメントを行なっています。

テクノロジーをはじめ、産業機械、設備・林産品(林業)、デジタルマーケティングと多岐に渡りサービスを提供しています。

◯A.T.カーニー

A.T. カーニーは1926年に米国シカゴで設立、
日本オフィスを東京に構えたのは1972年です。

日本では、金融、通信、ハイテク、自動車、消費財・小売をはじめとする
幅広い分野にサービスを提供しています。

A.T.カーニーは「Tangible results」という「目に見える成果」に拘ったコンサルティングには定評があります。

そう言われるのは、上層部に対する戦略を決めた後、
現場でも実行できるレベルまで落とし込んだアクションプランが優れているためです。

そして、社内ではワークライフバランスといった働く環境を見直しており、
定着率が高くなってきているそうです。

消費財・流通小売をはじめ、鉱山・金属、交通・輸送、メディア&テクノロジー、M&Aと多岐に渡りサービスを提供しています。

◯ローランド・ベルガー

ローランド・ベルガーは、ドイツ・ミュンヘンに1967年に設立、
東京オフィスを構えたのは1991年です。

日本では国内の各種産業向けにサービスを提供するだけでなく、シンガポール・中国・インドネシアにジャパンデスクを設置。

日系企業の海外展開を大きくサポートしているファームです。

食品・飲料・その他の消費財をはじめ、機械(産機/建機/農機)、航空宇宙・防衛、
事業戦略・ビジョン策定と多岐にわたるサービスを提供しています。

 

戦略コンサルティングに必要なスキル

ここから戦略コンサルティングを行っていく上で必要になってくる
「3つのスキル」について説明していきます。

 

【ロジカルシンキング】筋道を立てて考えるスキル

ロジカルシンキングは、物事を論理的・体系的に整理し筋道を立てる思考法です。

身につけると、物事をきちんとした形で説明できるようになれます。
その結果、今まで経験や勘に頼って決めていた場面でも、
筋道の通った考えをもち、決められるようになれます。

それにクライアントに納得できる提案をすることができるようになれます。

 

【わかりやすく伝えるスキル】伝わらなければ意味がない

ロジカルシンキングを使い説明しても、聞き手と話し手には
知識や経験から生まれる差で違和感が発生します。

違和感のせいで上手く伝わらずトラブルに発展したり、
他にもプロジェクト全体に対する認識のズレなどが原因で
進行が遅れるリスクもあります。

このようにトラブル発生のリスクを回避するためにも、
わかりやすく伝えるスキルは大切です。

 

【段取り力】コンサルティングは団体戦

あらゆる物事を効率よく進行するため、
先を読み・考え・行動できる力を段取り力といいます。

自社・クライアントも含めたメンバーで仕事を進めていくため、

段取り力はコンサルティングの仕事では必要になってきます。
この段取り力が弱いとどうなるでしょうか。

何か問題が発生したとき、焦りからうまく対処できず事後処理に追われたり、
期限までに仕事をやるべき作業を終わらせることができない、といった

問題が起きる可能性があります。
こうなっては、進行具合を遅らせることにも繋がり、
メンバーに迷惑をかけることになります。


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戦略コンサルと総合コンサルの違いをわかりやすく!

戦略コンサルティングの仕事の魅力 転職するには何が必要?

ここからは戦略コンサルティングの仕事を行っていく魅力
転職するのに必要なことを説明していきます。

 

その魅力、やりがいは?

戦略コンサルタントの魅力・やりがいで挙げられることは、
他とは比べものにならない「大きな達成感」を得られること。
そして、さまざまな「知識」を得られることです。

コンサルをする際は、クライアント企業の経営を
左右する問題を解決するため進めていきます。

そのため、一つの案件で高度な経験を積むこともでき、
案件を進めるためにも担当する業界の知識や戦略案を学ぶことができます。

自社のメンバー・クライアントと大きな達成感を分かち合えたり、
知識を得られるのが魅力であり、やりがいです。

 

年収の高さは大きな魅力

達成感や高度な経験を得られるだけでなく、
一般企業で働いている人よりも多くの給料をもらえるのも魅力です

戦略コンサルタントだと入社後5年以内に年収1,000万円を超える人も多く存在し、
マネージャーなどの、上位クラスになると年収2,000万円の人もいます。

そして、最上位のパートナークラスになると億単位の年収を貰っている人もいるそうです。

だからこその厳しさも​​

戦略コンサルタントとして業務をするにあたり、
一般的な企業では考えられない、高い年収を獲得できます。

しかしその裏には、休日出勤・長時間残業はあたり前になってしまう
過酷なプロジェクト環境があります。

そのため、高い年収は獲得できても
時給換算すると正直、見合わないと感じるかもしれません。

そして、役職が上がるほど休日出勤などが多くなっていく傾向があります。
他にもクライアント企業の経営に影響を及ぼすプレッシャーもあり、
精神的ダメージも大きいです。

 

戦略コンサルタントになるには?必要なスキルや資格

コンサルタントになるスキルは前述しました。

  • ロジカルシンキング思考
  • わかりやすく伝えるスキル
  • 段取り力

この3つが主に必要になるスキルです。

他にも

  • プレッシャーに負けない強いメンタル
  • 高い自己管理能力

なども、必要になってきます。

気になる資格についてですが、戦略コンサルタントになるために
絶対持っていないといけない資格はありません。
しかし、持っておいた方がいい資格はあります。

それは「公認会計士」・「税理士」・「中小企業診断士」
これらの資格をもっているとクライアントに安心感を持ってもらいです。

 

​​戦略コンサルタントを目指すなら

戦略コンサルファームは採用数も少なく求人情報も手に入れにくいのが現状です。

また、戦略コンサルタントの仕事は、企業の経営といった重大な問題を解決する内容になるため、選考ハードルや求められるレベルはかなり高いです。

もし、戦略コンサルファームへの転職を検討するのであれば、まずは実際に経験した友人・知人に当たってみるのが一番です。選考の対策、入社後の業務状況などリアルで具体的な内容は実際に経験した人が一番分かっており、客観的な情報を入手できます。

戦略コンサルに実績のある転職エージェントを利用するのも一案ですが、エージェントは転職をマッチングさせて稼ぐモデルですので、綺麗ごとしか言わない傾向にあるので注意しましょう。

また、当社では戦略コンサルファームを目指す社会人インターンを募集しております。戦略コンサルティングは厳しい業界で、入社数年以内に肩を叩かれる人も少なくありません。

折角入ってもすぐに退社にならないよう、選考対策のみならず、入社後に活躍出来るように働き方の模擬体験・最低限のスキルを身に着けることが出来る環境を提供しています。

 

戦略コンサルティングで仕事をするメリットとは?

戦略コンサルティングで仕事をするメリットは以下の3つです。

  • 案件ごとに、さまざまな分野で活躍する、
     ハイレベルな人と仕事をできるため、成長を実感しやすい点。
  • 業界に関する知識を深く、広く学ぶことができ、
     短期間で汎用的スキルを身につけられる。
  • 厳しさはあるけど、高い年収を稼ぐことができる。

 

戦略系ファームと総合系ファームの垣根はほとんどない

現在のコンサルティングは、戦略案を作るだけでなく、

戦略の実行支援までクライアントが望むようになってきています。

そのため、戦略系ファームも総合系ファームも、
サービスを自社完結できる体制を整えてきています。

これにより、戦略系も総合系も垣根がなくなってきているわけです。

なので、戦略コンサルタントを目指すために、戦略系ファームのみを選択しなくても、
総合系ファームで戦略コンサルタントの業務につくことも可能となります。

 

戦略コンサルタントになると短期間で汎用的スキルを身につけられる

戦略コンサルタントに必須の
「ロジカルシンキング」・「わかりやすく伝える」・「段取り力」。
これら汎用的スキルを短期間で身につけることができます。

逆にこの汎用的スキルを身につけないとコンサルタントとして
活躍できないため、必ず身につける必要があります。

ではなぜ、戦略コンサルタントだと、

短期間で身につけることができるのでしょうか。

それは、ビジネスの環境変化が速く、企業がその変化に対応するには
戦略・経営コンサルタントが必要になるからです。

そのため、必然的に実践回数が多くなるので、
短期間で身につけることができます。
スキルを身につけると、もしコンサル業を辞めたとしても、
汎用性があるので、さまざまな分野で重宝します。

 

まとめ

戦略コンサルティングは、企業の経営といった重大な問題を解決する仕事になるため、選考ハードルや求められるレベルはかなり高いです。

しかし、その分高い給料を頂けるだけでなく、人として大きく成長できる、とても素晴らしい職業です。

戦略コンサルティングファームへの転職を検討中の方は、転職を経験した友人・知人に、まず当たってみましょう。選考の対策や入社後の業務状況などを聞いて転職を目指すか判断してください。

転職するために、戦略コンサルティングファームの実績がある転職エージェントを利用するのも一案ですが、エージェントは転職をマッチングさせることで稼いでいるため、綺麗ごとしか言わない傾向にあります。

しかし、戦略コンサルティングファームで働けるかの資質を確認するためにエージェントを活用するのもいいでしょう。

また、当社では戦略コンサルティングファームを目指す社会人インターンを募集しております。選考対策のみならず、入社後に活躍出来るように働き方の模擬体験・最低限のスキルを身に着けることが出来る環境を提供しています。

戦略コンサルファームへの転職を目指されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。


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