コンサルティングってよく耳にするけど
「どういったことをするのか分からない」
「興味あるから知りたい」
といった方に向けて解説していきます。
コンサルティングは今や人気の職業となっています。23年卒東大・京大就活人気ランキング(6月時点)ではトップ5の企業にコンサルティング企業3社を占める人気ぶりです。
そんな人気職業である、コンサルティングの仕事内容や向いている人の特徴・気になる給与・年収など「コンサルティング」について、幅広く解説していきます。
コンサルタントの仕事内容
コンサルタントの仕事内容は、企業などが抱えている課題や悩みを解決することです。
企業にヒアリングを行い、問題を洗い出し課題などを引き出していきます。
その課題を解決するための、解決策・改善案・アドバイスを提案、実施していく仕事です。
コンサルタントは何を売っているのか
コンサルタントは他の企業のように商品を販売せず「解決方法」を売っています。
前述したように、製造業などでは作った製品を商品として販売し、
整備業では修理するスキルを販売しています。
しかし、コンサルタントは製品を作ったり、修理をしていません。
その代わりに、クライアントにヒアリングしてわかった
「課題」についての解決策・改善案などを提示し実践させます。
そしてクライアントの課題を解決していきます。
コンサルティング事業を行うにはどうしたよいか
コンサルティングの進め方について見ていきます。
詳しくは後述しますが、コンサルティングの仕事にはさまざまな種類があり、
種類によって、コンサルをしていく流れが異なってきます。
しかし、全体に共通する進め方もあります。
これから全体に共通する進め方について説明していきます。
1:現状把握と分析
まず、クライアントの現状を把握していきます。
把握する内容は、クライアントの経営状態についてや、
企業が相手であれば従業員の意識確認も実施します。
現状把握を実施して得た、情報をもとに分析を行い、
クライアントの現状の強みや課題を浮き彫りにさせていきます。
そしてなにより重要なのは、経営者が会社をどのような状態にしていきたいかの
「目標」を明確にしコンサルタントと共有することです。
2:課題の引き出し
現状把握と分析を実施し、課題と目標を確認できたら
なりたい姿にたどり着くために必要な「注力するべき課題」を引き出していきます。
3:企画書作成
注力するべき課題を引き出した後は、コンサルタントより
課題の解決法や詳細な企画書をクライアントへ提出します。
ここでキャンセルや修正依頼がなければ、
コンサルティング契約を結び、本格的に業務を開始していきます。
4:解決法の実施
契約が結ばれた後は、提出した解決法を実施していきます。
解決方法の内容次第では、経営資源を補充しながら、
課題解決に取り組んでいきます。
5:検証・修正
解決法を実施後に成功なのか失敗だったのか、検証を行います。
検証した結果をもとに、失敗した原因・成功した要素を洗い出していきます。
洗い出した内容を分析し、修正が必要な場合は、解決方法を修正し
再度取り組んでいきます。
以上が、大まかなコンサルティングを進めていく流れです。
コンサルティング業に向いている人
コンサルタントが向いている人は次のような人です。
⑴論理的思考ができる
クライアントに解決策を提示するため、考える時に使う思考方法です。
曖昧な案ではクライアントに納得してもらえないので、
納得してもらう案を立案し説明するために必要になります。
⑵会話力がある
クライアントにヒアリングを行い、現状の課題を上手く聞き出したり、
その他の有力な情報を得るために必要になります。
⑶分析が好き
企業や個人の将来を左右する課題を解決する仕事なので責任重大です。
そのためデータを集め、原因の追求や改善策を導き出すのに必要になります。
⑷学習意欲が高い
時代は日々進歩していくため、知識が古いままだと最適な解決策を提示できなくなります。また、業界について知らないことを学んだり、同僚や先輩の良いところを学んでいこうする姿勢が大切になります。
⑸非定型業務ができる人
コンサルタントはクライアントによって解決すべき課題が変わってくるため、
仕事内容が固定されているわけではありません。
そのためルーティンワークが好きな人には辛い仕事となります。
ここまで、向いている人について説明してきました。
コンサルタント全員がこの5つに当てはまっているわけではありません。
しかし、コンサルタントはクライアントに解決策を提示するのが仕事です。
クライアントにとって最善な解決策を提示し続けるためにも、
「常に勉強していくという姿勢」を持っている人がコンサルタントに
向いていると言えるでしょう。
コンサルティング業にあると良い経験
コンサルタントになるのにあるといい経験として、
次のようなことが挙げられます。
- 人事・総務・経理などの部門で経営陣と関わった経験。
- ファームにあった業界での勤務経験。
- 新卒の場合、国外での留学経験。
- 希望するファームに必要な資格を保有している。
などが挙げられます。
コンサル事業は種類がある
世の中の仕事にはさまざまな分野があり、その中にも種類があります。
これはコンサル事業も同じで、さまざまな種類に分けられています。
ここからは、数ある中から6つピックアップし説明していきます。
IT系戦略コンサル
クライアントの最高情報責任者が抱える経営レベルのIT関連課題・問題について
アドバイスや解決策を提示するポジションです。
医療系コンサル
大学病院・クリニックなどの『医療機関』や製薬・医療機器メーカーなどの
「ヘルスケア」の医療分野にコンサルティングを提供するポジションです。
総合コンサル
幅広い分野のクライアントに対し、業界・機能と部門に分け
コンサルティングを提供する規模の大きなポジションです。
財務系コンサル
経営目標の達成や経営課題の解決から、資金調達投資戦略立案、
M&Aに関するアドバイスをするポジションです。
人事系コンサル
人と組織の課題解決を専門に、教育・研修・人事システムについても
コンサルティングを提供するポジションです。
再生系コンサル
経営状態がよくない企業の経営状態を改善、立て直しをするために
コンサルティングを提供するポジションです。
▼関連記事▼
・コンサルの業務委託を受ける人のための必読情報
コンサルティング業の実態
コンサルティング業界というと、エリートな人が高い報酬をもらいながら、
クライアントの問題をスムーズに解決しているような華やかなイメージがあります。
しかし、実際は異なります。
業務内容は企業の未来を左右するものばかりです。
そのせいで、責任感やプレッシャーは一般的な仕事に比べ激務に追われるため、
強靭なメンタルが必要になってくる仕事です。
近年のコンサルティング業界
コンサルティング業界は2014年以降からデジタル活動支援の需要が増えていき、
相場が上昇傾向になっています。
2019年には、働き方改革関連法案が施行され、
労働時間の見直しや労働環境の整備など業務の効率化が要求されるようになりました。
さらに2020年以降、新型コロナウイルスやSDGs、ESGなどの
社会変革に影響がありました。その結果、DXやSDGs関連の案件のニーズが高まり
マーケット拡大が進んでいるので、コンサルティング業界に追い風がきている状態と
いえるでしょう。
コンサルタントの給与・年収調査
コンサルタントの給与・年収についてはファームやポジションによって変わってきます。
- アナリスト:500〜800万円
- コンサルタント:900〜1300万円
- マネージャー:1400〜2000万円
- パートナー:2500万円〜
この金額はファームの規模などで変わりますので、一般的な例です。
日本と海外のコンサルタントの違い解説
日本と海外のコンサルタントの違いは「顧問型」か「プロジェクト型」になります。
日本のコンサルタントは、国内の企業の多くが中小企業であるため
「顧問型」のコンサルティングを行っています。
顧問型の特徴は、一人で複数(10社程度)のクライアントに対しコンサルを実施。
期間は、中長期(半年〜1年程度)期間の契約を結びます。
そして毎日訪問せず、定期的に訪問する方法です。
海外のコンサルタントは、大企業が多く存在するため
「プロジェクト型」のコンサルティングを行っています。
プロジェクト型の特徴は、
一人で複数のクライアントを持たず、数名でクライアントのコンサルを実施します。
期間は短期(1ヶ月程度)から長期(数年単位)期間の契約を結びます。
そしてクライアントの企業に常駐することが多いです。
コンサルタントに転職をする
今の仕事から未経験でコンサルタントに転職できるのか気になるところですが、
結論、転職は可能です。中途採用で採用されている方は、未経験の方ばかりです。
ファームによって採用人数は変わってきますが、
未経験だからなれない訳ではありません。
しかし、個人だけの力では厳しいのが現状です。
転職を考えている人は転職エージェントを利用するようにしてください。
コンサルティング業は個人でも可能?
コンサルティング業を行うのは個人でも可能です。
実際に、コンサルティングを生業にするフリーランスは
IT系、通訳、メディア系の次に多く存在しています。
初期投資がなくお金がかからない
コンサルタントとして個人でやっていく上で、初期投資することなく行うこともできます。
他の事業だと店舗を構えたり、商品を仕入れたりと初期投資が発生します。
しかし、コンサルティング業だとwebを活用することで、
店舗を構えたりする必要がありません。
それにコンサルタントと名乗るために、
必須の資格もないため事前準備の段階でも費用をかけずに済みます。
強いて言うなら、パソコン代・ネット料金・ブログ立ち上げに費用が発生する程度です。
高い収入を見込める
個人でコンサルタントをする場合、高い年収を見込めます。
高額な単価で交渉し案件を受けることができると、高い年収を狙うことが可能です。
その代わり、契約をなかなか獲得できなかったり、
獲得できても難易度が高くなったりします。
また単価を抑え、数多くのクライアントと契約し売上を上げていく方法もあります。
そのため、獲得できた案件の質・量により、会社員時代の年収を超えることも可能です。
今までのスキルを活かすことができる
個人で活動するために、今までのスキル・知識を活かせます。
そして活動していく上で、自分のスキル・知識をもとに得意分野を明確にしていきます。
その明確にした得意分野を、あなたの専門分野にして
「どのようなサービス」を提供できるか、考えていきます。
自分の専門分野を明確にしサービスを提供しないと、
クライアントは「何ができる人」なのか分からず依頼できないでしょう。
自分の専門分野を作るためにも、今までのスキル・知識を活かせます。
<h3> 成功するための集客方法</h3>
個人で活動していくうえで、いかに集客して
クライアントと契約できるかが鍵となってきます。
集客を上手くできないと苦労してしまい、
最悪の場合、会社員に戻ることになるかもしれません。
せっかく個人で活動していく決心を固め、独立したので避けたいところです。
そこで成功していくために、集客方法ついて何があるのか知っておく必要があります。
これから集客方法について4つ紹介していきます。
集客方法⑴:チラシ・パンフレットを作成
お問合せ先や、代表者のプロフィールなどを掲載し、
新聞の折り込みチラシやポスティングをして配布していきます。
ターゲットに向けて直接アプローチできる反面、苦情がくる恐れがあります。
集客方法⑵:ホームページ・ブログを作成
ホームページを持つことで、見に来てくれた人に求めている情報が公開されていると
安心感と信頼が生まれてきます。
またブログも使い発信していくことで、記事を見てくれた人に価値提供ができます。
その結果、信頼度がさらに高まります。
ただどちらもネットを使うため、検索結果が上位表示されないと
ユーザーに届きにくいです。
そのためSEO対策などをしなくてはいけないので、
長期運用を視野に入れることになります。
集客方法⑶:ネット広告を公開
ネット広告とは、インターネット上に展開される広告のことです。
PC上だけではなく、スマートフォン、タブレット端末に表示される広告も含まれます。
広告の種類として
リスティング広告(検索結果に連動して表示される広告)、
ディスプレイ広告(サイトに広告)があります。
ネットを利用することで、多くの方に見てもらう機会を増やすことができ
認知を広めやすいです。そして予算を抑えて多くの人にアプローチが可能です。
ただ、ネット広告もホームページと同じように短期的に成果がでるものではないため、
長期的運用を視野にいれる必要があります。
集客方法⑷:SNS運用
SNSを活用することでターゲットと距離が近くなりアプローチできます。
近年、飲食店などの店舗や企業のみならず、
美容師やカメラマンなど個人で活動している人もSNSを使い集客をしています。
それだけ、SNSは集客できるツールとしても注目を集めているのが現状です。
運用をしていく過程で、仕事に関するノウハウだけでなく、
個人の人柄や価値観の見える発信もしていくことで、
ユーザーに信頼される確率が高くなります。
その結果「この人になら頼んでいいか」「この人にお願いしたい」と
ユーザーに思われ依頼につながるでしょう。
実際にSNSで情報発信を行い、コンサルを商品として
販売している発信者も存在しているので期待できます。
まとめ
ここまで、コンサルティング事業とは何か。というテーマでお話してきました。
コンサルティングの仕事は企業などが抱えている課題や悩みを解決することです。
そして転職して会社勤めや個人で行うことのできる職業です。
2020年以降より、DXやSDGs関連の案件のニーズが高まり、マーケット拡大が進んでいますので、追い風がきている状態です。
コンサルタントの業務や各分野のコンサルティングファームはそれぞれに特徴があり
仕事内容や向いている人も異なります。
転職を希望するなら自分のスキルや今までの職種で得た専門知識を活かせる分野のコンサルタントを目指してください。そして、経験を積んでいき、ゆくゆくは独立して個人で活動していく選択もいいでしょう。
これからコンサルティングを仕事にしたいという方のお役に立てたら幸いです。